退職するときには、会社から貸与されているものを、すべて忘れずに返さなければなりません。
制服、社員証、社員バッジ、名刺、健康保険の保険証などはもちろんのこと、たいてい通勤定期も原則として返却することになっています。
身の回りの事務用品も、私物と会社のものに分けて整理しておきましょう。
そのほかにも、忘れがちですが、自宅に持ち帰っている会社の書類や書籍、資料、図面などもきちんとチェックして残さず返すこと。
重要書類などの場合、あとでトラブルになることも多いので、特に気をつけましょう。
仕事上のトラブルを残したままふぃっとやめてしまうのだけは、絶対に避けなければなりません。
「どうせ前の会社のことなどわからないさ」と思っていたらとんでもない。
転職先の人事担当が会社に電話をかけて、前歴について質問するというのは、それほど珍しくないことなのです。
普通は、前歴についての問い合わせがあっても、当り障りのない答えをするのが通例ではありますが、よほどひどい場合は、正直にいろいろと話すこともあるかもしれません。
人事同士の交流は日常的に行われているものと考えて、転職するときにはトラブルを解決しておくに限ります。
自分の都合でやめていくのに、残った有給休暇を目いっぱい使うのは気が引ける、という人もいるでしょう。
でも、有給休暇は労働者がもつ当然の権利なのです。
社則をこると、会社が任意で与えている有給休暇については、もし消化できないようであれば買い取ってもらえる場合もあるので、しっかり確認しておきましょう。
もちろん、残務処理はしない、ろくに引き継ぎもしないうちにさっさと休んでしまうのでは人格を疑われてしまいます。
そこのところは完璧にしたうえでの話、です。
転職をきっかけに、それまでつきあいのあった取引先の人と急に疎遠になるのはもったいないことです。
同じ業界への転職だけでなく、まったく違う業種になってとしても、意外なところでつながっていたりするものです。
以前のつながりが新しい仕事の役に立つことだってたくさんあります。
転職したときには、前の会社でお得意さんだった人にも、必ず退職の通知を出しておきましょう。
何かの縁でまた仕事上のつきあいが出てきたときに、まったく音信不通であつた場合、「なんだよ、連絡もしないで」となりますが、退職通知を出してあれば、「新天地でも頑張っているね」となるはずです。
「人のつながり=財産」だと肝に銘じておきましょう。
転職した場合は、以前お世話になった人や知人に、転職通知を出すでしょう。
転職の理由がどんなものであっても、転職通知には詳しいことを書かないのがマナーです。
また、前の会社をよほどの過失で解雇されていない限り、「円満退社」と書くのが普通です。
「このたび一身上の都合により○○株式会社を円満退社し、×月×日より△△株式会社に勤務することになりました」
これだけでよく、あとは前職中お世話になったお礼と今後の抱負を書けばいいでしょう。 |
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